見た目も風量もほとんど同じなのに──乾かしたあとの髪に手を通した瞬間、ふと感じる「するん」と「パサッ」。
そのわずかな差が、1日の気分を左右することがあります。
パナソニックの人気シリーズ「イオニティ」。
その中でもEH-NE7MとEH-NE5Mは、数字上はほぼ双子のような存在。
けれど、実際に使ってみると仕上がりの質感に“確かな違い”が生まれます。
この記事では、この2つのモデルの違いを「スペック」ではなく「髪の触れ心地」という感覚軸で比較します。
どちらを選べば、あなたの暮らしにしっくり馴染むのか──その答えを、丁寧にたどっていきましょう。
この記事を読むとわかること
- EH-NE7MとEH-NE5Mの違いと、“するん”とした仕上がりの理由
- Wミネラルや低温ケアモードなど、各モデルの特徴と向いている人
- 数字では見えない、髪質と暮らしに合わせた選び方のポイント
EH-NE7MとEH-NE5Mの違いは?──“するん”の正体は風と温度の設計にあった
同じ「イオニティ」シリーズ。風量も温度も、数字上はそっくりなふたり。
でも、乾かしたあと髪に手を通すと、その瞬間に違いが出ます。
指が“するん”と滑るEH-NE7Mと、やや素直でドライなEH-NE5M。
その差は、風と温度──つまり「髪にどう風を当てるか」の設計思想にありました。
EH-NE7Mだけの「Wミネラル」は、髪を包む目に見えないヴェール
EH-NE7Mには、パナソニック独自の「Wミネラル(亜鉛粒子)」が搭載されています。
マイナスイオンとともに吹き出すこの微粒子は、ドライ中の摩擦によるキューティクルの乱れを抑え、髪表面を整える“目に見えないヴェール”のような働きをします。
結果、髪の水分保持力が上がり、乾いたあとも「しっとり・するん」とした質感が残ります。
一方、EH-NE5Mは外付けのマイナスイオンのみ。
乾かしながら静電気を抑える機能はありますが、EH-NE7Mほど内部に深く作用するわけではありません。
つまり、イオンの“深さ”が違う──これが、見た目以上の手触り差を生むポイントです。
低温ケアモードの温度差が、ドライ後のまとまりを左右する
EH-NE7Mは「低温ケアモード」を搭載し、約65℃の温風で髪を乾かします。
高温によるパサつきを抑えつつ、ゆっくりと水分を飛ばす。
これにより、乾ききったあとも毛先が広がりにくく、まとまりやツヤを保ちやすいのです。
一方、EH-NE5Mも温度制御はありますが、基本は90℃の温風で一気に乾かすタイプ。
速乾重視の設計ゆえ、髪が乾きすぎやすく、カラー毛や細毛の人はやや乾燥を感じる場合もあります。
つまり、「時間で選ぶか」「仕上がりで選ぶか」──その価値基準がここに現れます。
風の“あたり方”が違う。ノズル設計がもたらす質感の差
どちらも風量は1.6㎥/分。数字は同じでも、風の“あたり方”がまるで違います。
EH-NE7Mはノズル内部の整流構造を見直し、風の流れを分散させる「やわらか風」設計。
髪に直接的な圧をかけず、表面の水分を均一に飛ばすことで、まとまりと速乾を両立しています。
EH-NE5Mは直線的な風が特徴。根元の乾きが早く、短髪や朝の時短には強い味方。
ただし、毛先や長髪ではやや風ムラが出やすく、乾燥後に“広がり感”が残るケースも。
数字で見ると同じ風量でも、風の質──そこに、EH-NE7Mの静かなこだわりが宿っています。
つまり、この2機種の違いは「強さ」ではなく「やさしさ」。
EH-NE7Mは“髪のことを考えた風”、EH-NE5Mは“時間を優先する風”。
同じ風でも、目指している“暮らしのかたち”が違うのです。
EH-NE7Mの特徴──“低温の優しさ”と“Wミネラル”で仕上がりに深呼吸を
EH-NE7Mは、イオニティの中でも「仕上がりの美しさ」を追求したモデル。
乾かすたびに、髪が“するん”と動き、指が気持ちよく通る──その感触の裏には、3つの設計思想が隠れています。
髪を守るWミネラルイオン(亜鉛粒子)が生む“さらり”の手触り
パナソニックが独自に採用する「Wミネラル」は、実は微細な亜鉛の粒子。
マイナスイオンと一緒に髪へ吹きつけることで、摩擦で乱れやすいキューティクルを整え、髪表面をなめらかに保つ“目に見えない保護膜”のような役割を果たします。
この技術は、同社の上位モデルにも共通するケア構造。
乾かした直後の手触りはもちろん、翌朝のまとまりにも違いが出ます。
特に、毛先が乾きやすいロングヘアや、ヘアカラーでパサつきを感じる方には、このWミネラルの恩恵がしっかりと伝わるはずです。
低温ケアモードが叶える「乾くのに傷まない」ドライ体験
EH-NE7Mには、髪を約65℃の低温で乾かす“低温ケアモード”があります。
高温で一気に乾かす従来のドライとは異なり、髪内部の水分を適度に残しながら乾燥を防ぐ設計。
これにより、乾かし終わったあとも手ぐしがスッと通り、毛先の広がりが抑えられます。
たとえば、夜にドライしたあと寝ぐせがつきにくくなったり、朝のアイロン時間が短くなったり。
「ただ乾かす」から「整える時間へ」。
EH-NE7Mは、そんな“生活の質”まで変えてくれるドライヤーです。
ノズルと風路の工夫が生む“やわらか風”の速乾力
「低温」と聞くと、乾きが遅いのでは?と心配になる方も多いでしょう。
しかしEH-NE7Mは、ノズル内部の風路を工夫し、髪全体に均一に風を届ける“やわらか風”を実現。
風の圧力を分散させることで、髪表面を乱さず、根元からふんわり乾かすことができます。
これは単なる“風量の強さ”ではなく、“風の質”の設計。
「速く乾くけど、傷みにくい」──この両立を支えているのがEH-NE7Mの構造です。
乾かすたびに、髪が“するん”と整う。
EH-NE7Mは、数字では表せない「髪の深呼吸」を感じさせてくれる1台です。
EH-NE5Mの特徴──“速く・軽く・シンプル”な定番モデルの底力
EH-NE5Mは、イオニティシリーズの中でも“素直で使いやすい”定番モデル。
複雑な操作や特別なモードはなくても、必要な機能はしっかり。
その潔さこそが、多くの家庭で支持されている理由です。
1.6㎥/分の大風量で、しっかり速乾。シンプル構造ゆえの強み
EH-NE5Mの風量は約1.6㎥/分。上位モデルEH-NE7Mと同じ数字です。
ただし、構造がシンプルなぶん、風がまっすぐ届く。
根元から一気に乾かしたい人や、朝の支度を短時間で済ませたい人にとっては頼もしい存在です。
特にショートヘアやメンズのスタイリングに向いており、「ドライヤーを持ち替える時間すら惜しい」という人には、この直線的な風がむしろ心地よく感じられます。
外付けマイナスイオンで、手頃ながら髪を守る基本ケア
EH-NE5Mの外付けマイナスイオン吹出口は、風の流れの外側からイオンを届ける仕組み。
Wミネラルほどの深いケアではないものの、静電気を抑えてまとまりを補う“基本の保護膜”として働きます。
価格帯を考えると、このクラスでマイナスイオンが搭載されているのは大きな魅力。
日常使いで「パサつきを抑えたい」「でも高価なモデルは要らない」という層には、十分すぎる性能です。
軽量ボディと価格バランスで“2台目ドライヤー”にも最適
EH-NE5Mの重さは約545g。
EH-NE7Mよりわずかに軽く、長時間の使用でも手が疲れにくいバランス。
旅行用やセカンドドライヤーとしても扱いやすく、家族で共有する場合にも適しています。
さらに実売価格は約6,000円前後。
「高機能すぎないちょうどよさ」と「信頼のパナソニック製」という安心感のバランスが光ります。
EH-NE5Mは、“欲張らない良さ”を知るドライヤー。
風量・重さ・価格──そのどれもが「ちょうどいい」に収まるから、長く付き合える1台なのです。
どちらを選ぶべき?──暮らしと髪質から見る「選び分けの答え」
EH-NE7MとEH-NE5M。
どちらも“速く乾く”を大切にしている点では共通しています。
けれど、ドライ後の髪に触れたとき──その“質感”はまるで違います。
だからこそ、選ぶべきはスペックではなく「どんな髪で一日を始めたいか」です。
EH-NE7Mが向いている人:まとまり重視・カラー毛・ツヤ優先派
EH-NE7Mは、髪をやさしく包むタイプの風。
低温ケアモードとWミネラルが働き、ドライ後も毛先が落ち着いてツヤが出ます。
特にカラーやパーマをしている髪、乾燥しやすい細毛の人ほど違いを実感しやすいでしょう。
「朝、ブローしなくてもまとまる」
「毛先がひっかからない」
そんな実感を求める人には、EH-NE7Mが一歩上の満足をくれるはずです。
EH-NE5Mが向いている人:時短・シンプル・コスパ重視派
EH-NE5Mは、忙しい朝や夜に“すぐ乾く”ことを最優先したい人にぴったり。
軽くて扱いやすく、誰でも迷わず使える操作性も魅力です。
ショートヘアや男性、また家族で共有したい場合にも適しています。
「とりあえず乾けばいい。でも風量は妥協したくない」──そんな実用派の暮らしにスッと溶け込む一台です。
「買わない判断」も納得できる。2,000円の価格差に隠れた“価値の線引き”
EH-NE7MとEH-NE5Mの価格差はおよそ2,000円。
この差をどう感じるかは、あなたが「髪の質感」をどれほど大切にしたいかで決まります。
もし「ドライヤーは消耗品。必要最低限でいい」と考えるなら、EH-NE5Mが正解です。
一方、「毎朝の髪が整うと気持ちが違う」と思うなら、EH-NE7Mにその価値があります。
ドライヤーは、“毎日手にする小さな家電”。
だからこそ、自分の指先と気持ちが納得する方を選ぶことが、いちばんの正解なのです。
EH-NE7MとEH-NE5Mのスペック比較表──数字の裏にある“体感の違い”
スペックだけを見れば、EH-NE7MもEH-NE5Mもほとんど同じ。
けれど、その数字の“奥”に隠れているのが、髪の感触や仕上がりの差です。
数字はヒントでしかありません。
感じるのは、あなたの指先です。
主要スペック一覧(風量・温度・重量・消費電力)
| 項目 | EH-NE7M | EH-NE5M |
|---|---|---|
| 風量(TURBO時) | 約1.6㎥/分 | 約1.6㎥/分 |
| 温風温度 | 約90℃(TURBO時)/低温ケア約65℃ | 約90℃(TURBO時) |
| マイナスイオン | Wミネラル(亜鉛粒子)+マイナスイオン | 外付けマイナスイオン |
| 質量 | 約550g | 約545g |
| 消費電力 | 1200W | 1200W |
| 価格帯(実売) | 約8,000円前後 | 約6,000円前後 |
数字で見れば、「ほぼ同じ」に見えるこの2台。
でも、温度とイオンの組み合わせが変わるだけで、髪のツヤ・まとまり・手触りがここまで違うのかと驚く人も少なくありません。
ミネラルイオン発生構造の違い(内部吹出し/外付け)
EH-NE7MのWミネラルは本体内部から髪に直接吹き出す設計。
そのため、風の中心にしっかりとイオンが乗り、髪の根元から毛先まで包み込むように届きます。
一方、EH-NE5Mのマイナスイオンは外付け構造で、風の外側からイオンが当たる形。
イオン効果が分散しやすく、表面ケアに向いています。
同じ「マイナスイオン」でも、届き方が違えば髪の仕上がりも違う。
まさに、設計思想の違いが“体感の差”に変わる瞬間です。
ノズル形状・風路の設計比較
EH-NE7Mのノズルは、風を柔らかく広げる「分散タイプ」。
毛束をバラけさせながら風を通すことで、ムラなく乾燥し、毛先のまとまりを守ります。
対してEH-NE5Mは「直線集中タイプ」。
風の勢いが強く、短時間で乾くのが魅力です。
同じ風量でも、風の“当て方”で乾き方が変わる。
EH-NE7Mは“髪をいたわる時間”、EH-NE5Mは“時短を叶える風”。
どちらの正解も、使う人の暮らしの中にあります。
数字を比べて終わるのではなく、数字の先にある“暮らしの質”で選ぶ。
それが、本当に後悔しないドライヤー選びのコツです。
まとめ
EH-NE7MとEH-NE5M。
数字で見れば、風量も温度もほとんど同じ。
でも、乾かしたあとの“髪の表情”はまるで違います。
EH-NE7Mは、やさしさの設計。
Wミネラルと低温ケアの風が、髪を包み込むように整えてくれる。
朝のスタートが少し丁寧になる──そんな一台です。
EH-NE5Mは、素直な実力派。
シンプルで、迷いのない速乾性能。
忙しい毎日の中で、“十分に足りる風”を届けてくれる。
どちらが正解かではなく、「どんな朝を迎えたいか」。
そのイメージが、あなたの答えを決めます。
数字の比較ではなく、乾かしたあとに指が通る“感触”で選ぶ。
それが、ドライヤー選びで後悔しないいちばんの方法です。
選ぶって、悩むことじゃない。
暮らしに立ち会わせたいかどうか──それだけで、もう答えは出ています。
参考情報・引用元
- パナソニック公式サイト|ヘアードライヤー イオニティ EH-NE7M
公式スペック・低温ケアモードおよびWミネラル(亜鉛粒子)技術の詳細を参照。 - パナソニック公式サイト|ヘアードライヤー イオニティ EH-NE5M
外付けマイナスイオン構造および基本性能・風量情報を参照。 - クラピック(kurapick.com)|イオニティEH-NE7MとEH-NE5Mの比較レビュー
ユーザー視点での乾き方・使用感の違い、シリーズ内の位置づけを補足。 - パナソニック公式|ヘアケア商品一覧
イオニティシリーズ全体のスペックおよびラインナップ構成を確認。
※記事内の値段・価格は記事作成当時のものです。スペック・価格・機能説明などは変更になる場合があります。最新情報は公式サイトまたは商品ページよりご確認ください。

